お台場水域の魚類がどうなっているのか? 刺し網を投入して調査しました。
お台場の魚類の生息状況と水辺の環境はどうなっているのだろう?
お台場は、言わずと知れた東京の大観光地です。きれに整備された海浜では、周年ウィンドサーファーがやって来たり、夏ともなれば子供も大人も水遊び。とは言うものの、まったく知らないお台場海浜の魚類の棲息現況。「魚がいるの?」と問われたら、「いる」とお答えできても、「何がどのくらい」となると答えにくい。
そんなわけで、調査を所轄の港湾局に持ちかけたら、「われわれも実態を知りたい」とのことで、初の調査を7月6~7日、刺し網を投入して実施しました。
6日晩方、カレイを捕るための刺し網2枚を一組とし、海浜公園内の水辺の計6ヶ所に投入しました。7日早朝、これらを回収しました。
<採捕>
エイ~大小5枚。最大100cm。ほかスズキ、フッコ、クロダイ計10尾。
やはり、害魚のエイがいました。でも、期待した数よりも少なめでした。なぜ少なかったのか。 網の投入が21時前後と遅い時間になったためです。なぜ、遅い時間になったのか。お台場には、みなさんご存知の「観光屋形船」があり、これがすべて退去したあとの投入となりました。魚類が網によくかかる時間帯は実は夕方です。夕方の刺し網投入であれば、相当数の捕獲ができたと思われますが、こればかりは致し方ありません。
結論的に、実態はもう一つよく解りませんでしたが、害魚のエイが多数生息していることだけはよくよくわかりました。
さて、われわれの日々の漁業、とりわけ刺し網漁では、エイ類、サメ類、ヒトデ類、クラゲ類は、漁獲を脅かす厄介者です。何らかの方法で駆除、または対策を立てることは必要ですし、また別の問題として、昨今観光地化された海浜で、害魚がたくさんいては何よりも危険です。これに対応できるのはわれわれだけです。お台場等の害魚の実態をさらに調査した上で、駆除が必要な場合は当局とも連携し、対策、作戦を考えてゆきたいと思っています。
都漁連内湾釣漁協議会会長 丸 裕二
<写真>中央隅田漁協/田中屋:田中、赤塚