●11シーズン目の「お台場海苔づくり」
2月6日(土)、港区立お台場学園港陽小学校において「海苔養殖野外観察授業」の海苔摘み取り作業と海苔漉きが行われました。今回で11年目となるこの行事は、昨年12月19日の海苔網設置作業から始まり、1月16
日の中間刈取りを経て、今年度最終作業となる海苔摘み取り作業・海苔漉きの日を迎えました。
初めに校舎にて開会式が行われました。関係者・生徒代表の挨拶に続き、佃煮の贈呈式が行われ、1月の中間刈取りの際に収穫した海苔で作られた海苔の佃煮が関係者から生徒代表へ手渡されました。開会式が終わり生徒たちは海苔網の設置されている校舎前の砂浜へ移動すると、海辺つくり研究会・木更津金田の浜活性化協議会スタッフによる説明が行われました。生徒たちは説明を聞きながら、期待と不安の入り混じった表情で海苔網が張られている水面を見つめていましたが、海苔網の引き上げ作業が始まると大きな歓声が沸き、生徒たちの表情は笑顔に変わりました。
回収された海苔網が陸揚げされると、ここからは生徒たちの出番! 回収された海苔網を台車に乗せ、
砂浜から摘み取り作業が行われる校舎内まで海苔網を運び込みます。生徒たちが重たい台車に四苦八苦しながらも無事に校舎内に運び込みむと、摘み取り作業を行うロ
ビーに海苔網が張られました。
ここから一般参加者も加わり、摘み取り作業が開始されます。作業が始まると生徒・参加者は、触ったことのない生海苔の感触に戸惑った様子でしたが、生徒たちは楽しそうに摘み取り作業を行っていました。
摘み取られた海苔が専用のミキサーで細かく刻まれると、次の工程の海苔漉き作業が開始されました。生徒・参加者たちはスタッフの指導を受けながら、真剣な表情で海苔漉きを始め
ました。最初はうまく漉けず、生徒たちは悪戦苦闘していましたが、コツを掴むと作業を手際よく進め、まもなく海苔干しの作業に移りました。漉かれた海苔が校門ロ
ビーに用意された海苔棚に干されると、校内に漁村の様な光景が広がりました。
今年度の海苔養殖授業は、海苔網を設置した昨年12月に気温の高い日が続いていたため、水温上昇による生育不良が懸念されました。しかし年明けから気温が下がり、
当初予想された水温上昇は無く、晴天も続き日照量も十分であったため、心配された
生育不良は無く、今年度の収穫量は昨年度の800枚を大きく上回る量となりました(※海苔棚の上限枚数を超えたため、正確な収穫枚数は調査中)。
ちなみに今回の最終作業日となった2月6日は「海苔の日」と偶然に重なりました。
これは1966年に制定された海苔の記念日です。海苔は大宝元年(701年)2月6日
に制定された「大宝律令」によって、大宝2年から諸国指定産物になり、年貢(当時
の租税)の対象産物に取り入れられました。海苔の日はこの法制にちなんだものです。
当協議会スタッフは、海苔網設置・撤去作業及び収穫作業に係る海上作業に、船舶協
力として参加いたしました。
次回の海苔養殖授業は、平成28年12月からの予定です。
文と写真/都漁連内湾釣漁協議会・事務局長 中澤 充
【作業まとめ】
<参加者>
・港区立小中一貫校お台場学園港陽小学校5年生と保護者
・お台場海苔作り実行委員会、その他
<指導>
・ NPO法人海辺づくり研究会
・木更津金田の浜活性化協議会/実形博之氏
<協力>
・東京都港湾局
・都漁連内湾釣漁協議会
(当会参加船舶2隻、参加者4名⇒丸裕/裕貴丸、佃中澤/日の出)